おひとりさまの愉しみ+日々の呟き

アラフィフおひとりさまのささやかな楽しみ、日々感じた事などを綴っていきます

シネマ歌舞伎「風雲児たち」

今日は、ずっと楽しみにしていたこの作品を観に行ってきました。

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元々三谷幸喜さんの作品は好きで、映画舞台問わず良く観ていますが、決して期待を裏切らないし、何故かホッとできるんですよねー。

(あらすじ)
鎖国によって外国との交流が厳しく制限される江戸時代後期。
大黒屋の息子光太夫は、商船神昌丸の船頭(ふながしら)として伊勢を出帆します。
しかし江戸に向かう途中で激しい嵐に見舞われて帆は折れ、大海原を漂流することになるのでした。
海をさまよう神昌丸には17人の乗組員たち。
船頭の光太夫、経験豊富な船親司(ふなおやじ)三五郎、最年長の乗組員九右衛門、喧嘩ばかりの水主(かこ)庄蔵と新蔵、どこか抜けている小市、三五郎の息子の青年磯吉...。
太夫はくじけそうになる乗組員を必死で奮い立たせ、再び故郷の伊勢へ戻るため方角もわからない海の上で陸地を探し求めます。

この作品は、元になる漫画があるそうで(しかもかなり人気らしい)、多分その漫画のファンらしき中高年の男性客がチラホラ。
これまでのシネマ歌舞伎とは、明らかに違う客層で驚きました。

内容も、確かに男性目線のストーリーで、いかにも幸四郎さんが好きそうな感じだな、と。
でも、全体的によく描かれた作品でしたし、私は結構この手の話、嫌いではないですね。三谷さんの作品に、歌舞伎テイストを上手く取り込んだ作品と言うべきか。
あと、ここでも三谷さんの当て書きが冴えていました。
皆さん絶妙のキャスティング。
それぞれが個性をきちんと生かして、楽しくのびのびと演じられていたように感じました。

太夫役の幸四郎さん。
個性的な仲間たちを束ね、果敢に行動を起こしていきます。
他のメンバーが口々に文句を言っても、それを上手く交わして、何とか日本に帰ろうと諦めずに闘っていく。
決して格好いいキャラではないけど、こう言う人だから周りはついていったのかな、と言う気がします。
それを幸四郎さんらしく、人情味溢れるキャラとして演じられていました。

正蔵役の猿之助さん。
こちらは周りを和ませるキャラで、終始明るく振る舞っていたけど、途中に悲劇に襲われる事になり、その対比の演じ分けはさすが素晴らしい。あと、女帝役は僅かな出番だけど、こちらは貫禄充分で、美しく気品がありました。

新蔵役の愛之助さん。
愛之助さんって新作歌舞伎のイメージがあんまりなく、どうなんだろうと思っていたけど、良かった
。ちょっと自分本位ではあるものの、最後には仲間のために重大な決断を下すんですよね。飄々としているようで、実は誰よりも情が深いのかな、と。その辺をとても上手く演じられていました。
半沢直樹の黒崎さんも良いけど、やはり歌舞伎の愛之助さんは良いなとしみじみ。ドスの効いたセリフは本当に威圧感があるし(マジ迫力あります)、格好いいんですよ。

この3人のラストシーンは本当に良かった。
それぞれの思いが痛いほど分かって切なかったです。
日本に帰りたかったのは、皆同じなのですからね。

健闘していたのは、磯吉役の市川染五郎くん。
恐らく歌舞伎の新作に出演するのは初めてだと思われます。
そんな中、割と重要な役割を担うキャストに抜擢されて、本当に大変だったと思います。
お父様始め芸達者な役者さんたちと並んで、時にはアドリブやギャグを交わしながら(笑)、慣れない事の連続だったと思うけど、一生懸命さが伝わってきて、真っ直ぐな青年を爽やかに演じていました。

八嶋智人さんが出るはずなんだけど、いつ出て来るのかな??と待っていたら、後半にやっと出て来た。
役どころは、フィンランドから来た学者で、日本に帰る手助けをする役なのですが、掴み所がないと言うか、いかにも八嶋さんらしい感じで。それでも出て来たときに空気が一変して、惹きつけられるあたりはさすがだな、と。
全然違和感なく歌舞伎に馴染んでいましたね。

他にも魅力的な役者さんたちが大勢いましたが(何せ最初は17人の乗組員がいた)、1人ずつ脱落していく度に、一体最終的には何人になるのだろうとヒヤヒヤしながら最後まで見ていました。
ネタバレになるので、それは見てのお楽しみ…と言うことにして、それぞれご贔屓の役者さんがどこで出るのか探してみてはどうでしょうか?

中村屋贔屓の私としては、鶴松くんが出ていたのは嬉しいですね(意外と出番あったし)。
こうして、中村屋以外の演組にも出て欲しいなぁ。今舞台に飢えてるみたいだし(この前配信で言ってた)。

まぁ日頃歌舞伎を観ている人たちにとっては、好みが分かれる作品だと思います。それでも、一舞台としてはこう言うのもアリかと。
幸四郎さん、猿之助さん、愛之助さんお3方共に三谷作品の常連であり、その3人を中心に上手くまとまっていたな、と言う気がします。
白鸚さん、彌十郎さんが上手く脇を固め、若手は出番は少ないけどそれぞれの役を的確にと演じられていたように感じました。
そこに八嶋さんという、絶妙なスパイスが混ざって、いい味加減になっていたと思います。

映画を観た漫画作品のファンの方々は、どんな感想を抱いたのかしら?
帰りにパンフを買っていた男性を見掛けましたが、きっと気に入ってくれたんだろうな、と。
こう言う、普段歌舞伎を観ない層が楽しんでくれるのは嬉しいですね。
あと、「半沢直樹」の影響も多少あるのかな??
あ、松也くんのナレーションも良かったです(相変わらずの美声✨)。1シーンだけ、どさくさに紛れて出てましたよ。

次は、いよいよ生歌舞伎だぁ。
あと2週間。待ち遠しい。
怒濤の仕事が終わった直後の予定なので、大丈夫か不安ですが💧

そう言えば来年明け早々に、また金沢でゲキシネ🎥あるんですよ。
「髑髏城の七人」花鳥風月(上弦下弦)極全シリーズ。素晴らしい。
でも、観に行くかは未定ですが。
「偽義経冥界唄」は観に行くつもりですが(観たときとキャストが一部違っているので)。

あと、海老蔵さんが来年3月に小松&金沢に公演に来るようです。
演目は分からないけど、他は全て1日公演なのに、小松だけ2日で、更に翌日は金沢にも。
本当に小松を気に入ってくれたようで良かった。
こちらは多分パス。
来年は團十郎を襲名できるといいですね。

では、明日は休養します。